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LAN−Security Brain® Brain Computer Interface
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最新の車両電気システムについて | ||||||||||||
近年の車両電気システムは
車載LANの採用により格段に変化してきました。 車載LANのデファクトスタンダード (事実上の標準規格)であるCANは、1980年代にRobertBosch社が提唱し1992年にメルセデスが Sクラスに搭載しました。 その後、車載LANは大きく改良されながら欧州各社が採用し、現在では米国車や日本車でも採用されています。 (はじめは一部でしかなかったLAN経由の制御ですが、その後の技術改良に比例して情報ラインに流れる情報量は大幅に増え、現在では LAN経由の制御が自然な傾向になってきています。)
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車載LANについて | ||||||||||||
世界中の車メーカーが車載LANを採用する理由は、車両に接続されている端末※情報の共有化にあります。 ※端末……ここで端末とは、各スイッチ類など操作するものやパワーウインドウや 、ライトなどの機能を持った部品と考えてください。 |
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LANによって形成されたシステムは共通の情報ラインでチェーンのように接続されます。この情報ラインには、 ノードを介して接続された 端末の情報が流れます。それぞれの端末は情報の受け手であり送り手でもあります。接続された端末は自分のための信号だけを選択します。 例えば情報ラインにドアミラーのスイッチとドアミラーが接続されています。情報ラインにはそれ以外にもたいへんに多くの端末が接続されて います。ブレーキやギアシフトなど運転に関連するもの、オーディオやパワーウインドウなど装備関連のもの、それぞれのスイッチなど数え切れ ないくらいの数です。ドアミラーのスイッチを操作すると、信号は情報ラインを流れます。このラインに流れた「ドアミラーのスイッチを操作した」と いう操作信号はノードを介して目的の端末が受け取ります。ドアミラーは自分に来た信号と判断して操作命令を実行して、ミラーを動かします。 それ以外の端末は、自分に関係のない信号として無視します。 (病院の受付で「鈴木さん」と呼ばれると、待っている大勢の人の中から鈴木さんだけが 立ち上がり受付に行きます。それ以外の人は呼び出し を無視します。 しかし、鈴木さん以外の人も鈴木さんが呼ばれたことは知っています。車載LANのやりとりはこれと同じです。) 情報ラインには端末に関する制御情報・状況情報が流れていて、 情報は共有されています。この情報は複数で利用することも可能なのです。
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LANを使用するとどう変わるのでしょうか? |
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車を使用するユーザーにとっては、LANが採用されていても、採用されていなくてもあまり関係ありません。 実際には、LANによって制御されているのかどうかは外見をみても運転をしてもわかりません。 しかしLANの採用は、設計側に大きく貢献します。多くの詳細な情報の共有と操作が実現できるのです。 車メーカーでは同じ車を作り、グレードや国別仕様の一部はプログラムで設定することも多く行っています。 車両の高機能化にはLANは不可欠な要素になってきています。
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LANを利用するには? | ||||||||||||
LANの情報ラインには接続された全ての端末の情報が流れていますので、ここから
接続された端末の情報を取得することができます。 そして、情報ラインに流れている詳細な情報を解析することができれば、《車両の考えてることが判る》 ことができるのです。 しかし、LANには理論的に最大2000を超えるユニットが存在します。さらに各ユニットが持つデータ情報の組み合わせをあわせると、その 組み合わせは 36,893,488,147,419,103,232,000通り以上 もの膨大な情報量になります。 求めるデーターを総当りで見つけると、偶然当たる確率は東京ドーム6億杯分の米粒のなかから一粒を見つけることに相当します。 実際の抽出方法では、技術者がデータ測定と分類を繰り返すことにより、もっと合理化された解析を行います。 それでも1つ1つのデータ検証は数十分〜数日程度が必要になります。 (OBDのように、識別コードが規格化されていませんので、データーは車メーカーの裁量で割り振りされた非公開情報です。) |
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同じ端末でも1つ1つに識別データが割り振られる場合があります。 時々「部品を新品に換えたけど動かない」ということを聞きますが、 これは見た目には従来と同じ部品なのですが識別データが違うので情報ラインに流れても、他の端末が認識しないためです。 この場合は新しい部品の識別データを、車両に登録する必要があります。 不心得者が、他車から部品を盗んで流用しようとしても登録作業ができなければ使用できないのです。 登録は正規ディラーでは行うことができます。以上の状況から今後も全てのデータが規格公開されることはないと思われます。 (仕様が全く同一であるA車とB車であっても、A車で取得したデータが、B車には該当しない(できない)場合があります。)
実際にLANに流れている情報から車両の状況を知るためには、LANバス情報の内容 をあらかじめ解析する必要があります。 一般に情報の解析は、LANバス信号解析機能を持ったテスタ などがある環境で、信号を確認しながら技術者が行います。 LANの情報を機器で利用するためには、この解析された信号をデータとして機器に登録します。 データが登録された機器として車両の市販LANモニタ などがあります。LANモニタのしくみは、登録されたデータと車両から取得したデータを 照合し、あらかじめ登録されたメッセージをモニタに表示するものです。( 一般的なLANモニタは、データの照合と表示を行っているだけです。) ※LANモニタは車両に接続するだけで誰が行っても同じ結果がでますので、技術者でなくても利用することができます。 このようなLANモニタを使用する場合あらかじめ登録されたデータしか照合できませんので、照合するデータが増えたり変更した場合には、 更新プログラムが必要になります。(市販LANモニタの信頼度は、登録されたデータの内容に依存する訳です。) また、あらかじめ登録されたデータを利用するLANモニタでは、車両毎に異なるデータについては基本的に利用することはできません。
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※注意 本文中の文章は、説明を単純化して省略している部分があります。また、使用している図面はイメージです。 もっと詳しく正確な情報をお知りになりたい方は、車載LANに関する専門文献を参照ください。 |
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